CRP FOTO YURAKUCHO (Japanese Edition)

CRP FOTO TOKYO は、その時の「東京ストリート」を記録するプロジェクトです.
9PHOTOGRAPHERS
ARI HATSUZAWA 　TERUYO FUKUMOTO 　MANABU HATAKEYAMA　 TATSUYA SATO　 TERUMASA ARIMA YUICHI OIDE　 YUKIKO SUZUKI　YOSHINORI KAMEI　ALAO YOKOGI　

JR 山手線周遊　池袋から数えて　14番目　
有楽町駅界隈　2023
50年以上も前のこと、大学1年の1967年の暮れ、写真学科の自由課題だっただろうか、銀座の夜を撮ることにした。国鉄（JR）市川駅から有楽町駅経由で向かった。あの頃の国鉄の駅は、東京駅を除けばどこも古びたガード下といった雰囲気の、陰気な駅が多かったトイレなどは劣悪で、今、外国人が東京に来て、トイレや町の清潔さに驚くが、ほんの20年ぐらい前までは、東京は十分汚い町だった。道路やホームは、タバコの吸殻が溢れ、町は電柱、電線が張り巡らされていた。もっとも今でも電柱と電線はあいかわらずアブストラクトな風景は健在だ。たしかに、この10年ぐらい前、街からゴミが消え去った。いまや陰気だった有楽町駅も東側の駅前広場は整備され明るくなった。ガードを超えると反対側のかつてデパートだったところは、量販店だ。丸の内の端っこには外資のホテルがそびえ立ち、晴海通りを渡ると、雑然と映画街だった町もすっかり綺麗になっている。そしてなにより帝国ホテルと日比谷公園。こんなふうに町はどんどん綺麗になってゆくが、駅構内はさして変わらない。よく言えば、昔の東京のにおいがぷんぷんしている。そんな山手線周遊も、池袋から数えて14駅目。山手線は全部で30駅次の新橋でちょうど半分だ。

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